欧州連合(以下、EU)加盟27ヶ国のうち、19ヶ国で使われているユーロ。ユーロ圏の人口は3億人以上にも及び、アメリカのドルに次いで世界的に広く流通している通貨です。それだけメジャーな通貨なので、日本国内、世界各国の両替所でも両替が可能な通貨です。今回は「日本円→ユーロ」の外貨両替について、解説していきます。
「日本円→ユーロ」の両替をお得にする
日本円をユーロに両替するとなったら、できるだけお得に両替をしたいものです。どこで両替するのがお得なのでしょうか?
国内?or現地?
どこでも両替可能なユーロなので、まずは国内で両替をするか、渡航先で両替するかを検討する必要があります。結果から言ってしまと、ユーロは日本国内で両替をする方が有利です。世界的に見て、ほぼ日本国内でしか使えない日本円よりも、EU圏で使えるユーロの方がメジャーな通貨なので、現地で両替をすると、どうしても円が弱いため、レートが悪くなってしまうのです。「どれぐらい必要になるかわからないから、とりあえず数万円だけ両替したい」という人もいるかもしれませんが、もしお得に両替をしたいのであれば、日本国内での両替をおすすめします。
国内で両替をするなら…?
では、日本国内でお得に両替ができるのはどこでしょうか?銀行、両替専門店、金券ショップ、外貨宅配サービスの両替レートを比較してみます。
【2020年6月30日の1ユーロあたりの両替レート】
三菱UFJ銀行 | 125.08 |
みずほ銀行 | 127.05 |
三井住友銀行 | 125.02 |
ドルレンジャー(新宿西口店) | 121.94 |
大黒屋(渋谷センター街店) | 124.45 |
トラベレックス(オンライン) | 125.20 |
外貨両替ドルユーロ | 124.76 |
GPA宅配両替 | 125.02 |
これらを見ると、ドルレンジャーが良レートだということがわかります。
外貨宅配サービスなら、ドルユーロが銀行と比較すると若干低めのレートです。
とにかく手数料を抑えてお得に両替をしたい場合は、やはり金券ショップでの両替が一番ですが、事前にユーロの在庫があるか確認をすることをおすすめします。
また、渡航までに余裕がある場合は宅配サービスを使うと、インターネットで好きな時に申し込んで指定場所で受け取ることができるので、金券ショップと比較するとお得度は下がりますが、両替に行く時間と手間を省くことができます。
ユーロに両替する時の注意点
使いやすいのは20ユーロ以下の紙幣
ユーロには、5ユーロ、10ユーロ、20ユーロ、50ユーロ、100ユーロ、200ユーロ、500ユーロの7種類の紙幣があります。しかし、国によって若干異なりますが、実際にお店で使うのは20ユーロ以下の紙幣と思っておいた方が良いでしょう。100ユーロ以上の紙幣はホテル、高級レストラン、高級ブランドショップなど以外で使おうとすると、断られることもあります。両替をする際には、できるだけ20ユーロ以下の紙幣を混ぜてもらうようにしましょう。
高額な現金の持ち歩きはしないように
ヨーロッパには旅行者を狙ったスリや置き引きが多い国もあります。高額紙幣や現金をたくさん持ち歩くのは危険なので、クレジットカードのキャッシングなどを上手に使って、持ち歩く現金を少なくした方が安心です。
余ったユーロはどうする?
帰国後、お財布に余ってしまったユーロが…という場合、どうするのが一番良いのでしょうか?
ユーロはドルに次いでメジャーな通貨なので、日本国内の両替所で両替が可能です。ただし他の通貨と同様に、両替ができるのは紙幣のみです。また、ユーロから日本円に戻す場合も手数料がかかります。円からユーロに両替する際に手数料がかかり、更にユーロから円に両替をする際にも手数料がかかってしまうのですから、決して安くない手数料を2回も払うことになるのです。ユーロは使える国が多いので、もし数年以内にヨーロッパ旅行に行く予定があるのであれば、両替をせずにそれまでに取っておくのが一番良いでしょう。
ユーロが使える国
ユーロは、EU27ヶ国のうち19ヶ国で導入されています。
オーストリア、ベルギー、キプロス、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン
また、これ以外にもEU加盟国の海外領土や通貨同盟などによって使える国、地域もあります。
グアドループ、フランス領ギアナ、フランス領南方・南極地域、マルティニーク、マヨット、レユニオン、サン・バルテルミー島、サン・マルタン島、サンピエール島・ミクロン島(全てフランスの海外領土)
アクロティリおよびデケリア(イギリスの海外領土)
モナコ(フランスと通貨同盟)
アンドラ(フランス、スペインと通貨同盟)
サンマリノ、バチカン(イタリアと通貨同盟)
まとめ
日本円をユーロに両替する場合は、現地よりも日本国内で両替をする方がお得です。また、ヨーロッパはクレジットカードが使えるお店も多いので、高額商品の買い物はカード決済にして、持ち歩く現金を抑えるようにすると、防犯の観点からも安全ですし、「日本円→ユーロ→日本円」というような、再両替を防ぐこともできます。まずは、「いくらぐらいの現金が必要か」をしっかりと算出し、場合によってはクレジットカードの使用も検討すると良いでしょう。