日本円を外貨に両替するときに気になるのが「レート」です。テレビのニュース番組で毎日報じられているので、なんとなく知っている方もいるかと思います。
「レートが良い」「レートが悪い」
外貨両替をしようとすると、しばしばこのような言葉を耳にします。では、この「レート」とは一体どういうもので、「レートが良い」とはどういうことなのでしょうか?
そもそも「レート」とは?
皆さん気にするレートですが、レートには「為替レート」と「両替レート」というものがあり、それぞれ意味が異なります。
為替レート
為替レート(為替相場)とは、異なる国の通貨が交換(売買)される際の取引価格(交換比率)のことを言います。「外国為替市場」という国際的な取引の場での”需要と供給”によって通貨の価値が決まります。ニュースなどでよく目にする「1ドル=○○円○○銭」というアレです。
この為替レートは、世界情勢や社会の動向などによって大きく上下します。「円高」「円安」という言葉は皆さん耳にしたことがあると思いますが、1円に対して交換できる通貨が多ければ「円高」、反対に1円に対して交換できる通貨が少なければ「円安」となります。
海外旅行や海外のネットショップでのショッピングは、円高の時の方がお得です。
両替レート
両替レートとは、為替レートに外貨両替の手数料を乗せたレートのことです。ほとんどの銀行や外貨両替所で採用している手数料の方式で、米ドルの場合であれば、「1米ドルにつき○○円」という具合で、手数料が発生します。外貨両替のお店や窓口で表示しているレートはこの両替レートです。手数料は両替所によって異なり、一般的に「レートが良い(悪い)」と言われるのは、この両替レートを指すことがほとんどです。両替レートは手数料が含まれた金額になっているので、ニュースで報じられている「為替レート」と金額は異なります。
同じ1万円を外貨両替…金額が違うのはなぜ?
「同じ1万円を外貨に両替したのに、損をした/得をした」ということはなぜ起こるのでしょうか?これには、為替レートや手数料が関わってきます。 ここでは、1万円を米ドルに両替することを例に挙げてみます。
1米ドル=120円の時に1万円を両替すると…?
10,000円÷120円=83.33米ドル
1米ドル=100円の時に1万円を両替すると…?
10,000円÷100円=100米ドル
このように、為替レートによって交換できる米ドルの額が変わるので、外貨両替をするなら少しでも「円高」の時にする方がお得です。
また、これとは別に手数料も両替の損得に関係します。手数料は銀行や両替所、それぞれで設定しており、ほとんどの銀行や両替所では、為替レートに手数料を乗せた「両替レート」を表示しています。為替レートが「1米ドル=100円」でも、両替をする場所によって手数料が異なるため、同じ1万円でも受け取れる米ドルの額が変わってきます。
為替レートが「1米ドル=100円」の時に
両替レートが1米ドル=104円の両替所で1万円を両替すると…?
10,000円÷104円=96.15米ドル
両替レートが1米ドル=101円の両替所で1万円を両替すると…?
10,000円÷101円=99.01米ドル
このように、1米ドルあたりの手数料が数円違うだけでも、両替する額によっては受け取れる額に大きな差が出ます。
一般的に「レートが良い」とは「両替レートが低い」ことを指し、逆に「レートが悪い」というのは「両替レートが高い」ことを指します。外貨両替をする際には少しでも「レートが良い」ところを見つけて両替することがポイントとなります。
米ドル、ユーロの外貨両替は国内?現地?
国内で外貨両替をする時には、円高で両替レートが良いところで両替をすれば、お得に両替ができることがわかりました。外貨両替は日本国内でしなければいけないわけではなく、海外でも両替することができます。では、日本円を外貨に両替する場合、国内と現地、どちらがお得に両替ができるのでしょうか?
結果から先に言ってしまうと、「米ドル、ユーロなら国内」です。
米ドルとユーロは流通量が多く、世界的に需要が高い通貨なので、どこの国で両替をしても手数料は比較的安めです。これに対して日本円は、アメリカやヨーロッパでの需要が低いため、現地ではレートが悪かったり手数料が高めに設定されていたりします。このため、米ドルとユーロに関しては、渡航先で両替をするといわゆる「損」をしたことになってしまいます。
米ドル、ユーロ以外の通貨であれば、現地で両替をする方がお得になるケースが多いです。
まとめ
レートは、外貨両替のお得度を左右する大事なポイントです。
お得に外貨両替をしたいなら、「レートが良い両替所はどこか?」をしっかりと比較して調べましょう。また、通貨によっては現地で両替をした方がお得な場合もあるので、事前にネットなどで現地のレートを確認しておくと安心です。